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まんじが翻訳者になるまで (その1)

August 6, 2007

今日は、どうやって私が翻訳者になったのかについてご紹介したいと思います。私のこれまでの人生の総括という意味も込め、今後の方向性についても書いてみましょう。かなり長くなりそうなので、数回に分けて掲載します。

話は今から約10年前にさかのぼりますが、その頃私は家業ともいえるリサイクル業界に身を置いていました。川崎市の北部でガラスびん処理プラントの責任者として働いていたのですが、小さな施設で正社員は私だけ。週休1.5日という状況でした。

この業界は、お盆やお正月など、酒の消費量が増える時期に忙しさのピークを迎えます。そのため、お盆は無休、正月も2日から出社で、代替要員もいませんでしたので、長期の休暇は無縁の世界でした。

それでも、たまたま1週間の休みを取ってトルコとギリシャに出かけることができました。イスタンブール、カッパドキア、エフェソス、そしてアテネを訪れる急ぎ足の旅でしたが、この旅の鮮烈な印象が、私のその後の人生を変えることになりました。

「旅がしたい!」との強い想いが生まれました。

しかし、長期の自由旅行をするということは、何らかの形で会社勤め(サラリーマン生活)に終止符を打たねばならないということです。他の多くの旅人と同じように、「どうしたら長期間、自由に旅ができるのか?」について真剣に考えました。

たどり着いた結論は2つしかありませんでした。

1) 派遣やフリーターなどで働きながら、お金が貯まったら旅に出て、お金がなくなったらまた日本に帰って仕事をする
2) フリーランスの仕事につながるような専門的な知識・技能を得て、旅をしながら仕事をする

このうち 1) のフリーター、派遣社員は、30代くらいまでは何とかなるかもしれませんが、40~50代以降になると、仕事が得にくくなって、生活が不安定になってしまいそうです。とりあえず 2) の可能性を模索してみることにしました。

フリーランスと一口に言ってもいろいろな職種があります。旅と両立できそうな仕事で、真っ先に思い付くのは、作家や詩人、画家、音楽家(いわゆるアーティスト)でしたが、自分にそんな才能があるとも思えません…。また、こうした分野で成功し、有名になるのはごく一握りの人だけなのです。危険な賭けはできませんでした。

そんなある日、NHK 衛星の「週刊ブックレビュー」という番組に、ある洋書を翻訳した翻訳家の人が出演していました。その翻訳家の方が画面に登場する時、インタビュアーが「○○を翻訳なさった××先生です」と紹介していました。

「そうか…、翻訳をする人というのは、作家みたいに「先生」と呼ばれるのか…」

そこで「翻訳は自分にできるのだろうか?」と考えてみたのです。

思い起こせば中学・高校時代の私の英語の成績はひどいもので、時には赤点だったりしたこともありました。しかし、浪人時代に英語に真剣に取り組んだおかげで、少なくとも大学入試の時点では、かなりの得意科目になっていました。早稲田大学政経学部の試験の自己採点で、英語が90点中81点だったことを記憶しています。

しかし、大学に入ってからは英語をさらに磨くこともなく、英語の知識はどんどん錆び付いていきました。

「錆び付いてても、もともと得意科目だったのだから、もう1回勉強すれば何とかなるかもしれない」

そこで横浜中央YMCA英語学校に相談に行くことにしました。レベルチェックを受け、英検準1級クラスに通い始めました。先生は樋口先生という優しそうな感じの先生でした。

仕事と並行しての受講でしたので、予復習もままなりませんでしたが、とりあえず出席だけはしていました。でも depend (依存する、頼る)などの基本的な単語まで辞書を引いている始末で、自分でもけっこうショックだったことを覚えています。受講開始から半年後に受けた英検では、準1級に(見事)不合格でした。

翻訳の世界では、

英検準1級以上がないと仕事を得るのが難しい…

と言われていましたので、とりあえず英検準1級が受かるまでは、仕事を辞めずにがんばろう、と決意しました。

(その2に続く)

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Comments

ひいろ さんのコメント

August 6, 2007

第一回、興味深く読ませていただきました。
次回、楽しみにまってまーす。

nao さんのコメント

August 7, 2007

こんにちは*

私は色々な職業の方が
「どうやってそのお仕事にたどり着いたのか?」に
とてもとても興味があり、
お仕事中もついつい
ご一緒したカメラマンさんや編集者さんに
インタビューを始めてしまいます・・・。

ですので、まんじさんが
どうやって翻訳という道に出会ったのだろう?
どのような過程を経て
今のまんじさんがあるのだろう?と、
好奇心がうずうずといっておりました。

そんな中、念願かなって(?)
まんじさんストーリーがうかがえるとは!!!
次回も期待しています*

Yuki さんのコメント

August 7, 2007

まんじ先生、こんにちは。

先生の意外な過去について楽しく読ませていただきました。

ところで樋口先生って聞いたことがあるような。もしかして恰幅のいい男の先生ですか?

まんじ さんのコメント

August 9, 2007

何気なく書いたら、予想外に関心を持たれてしまいました (^^;)。その2を現在書いているところです。

樋口先生は女性でした。途中で結婚されるとかで初年のみでしたが…。

Krishnamurti さんのコメント

August 23, 2007

数年来manji.comを愛読しています。

もうだいぶ前ですが、まんじさんが

「スポーツセンターでステアクライマーという器具で運動しながら英語の勉強(ボキャブラリーの暗記?)をやっていた」

という記事がありました。

英語の勉強をしている私は「これはいい」と近所の体育館でチャレンジすることにしました。

英語の勉強をやってきての経験則なんですが、リスニングやリーディングの勉強に比べて、ボキャブラリーの暗記はダレてしまいやすいんですねー。でも、体を動かしながら取り組むと長時間集中できます。体を動かすことで脳が刺激され、長い時間集中できるようになるんだと思います。

とまれ、いざステアクライマーをやってみると、体が上下に揺れて目と活字との距離が一定に定まらず、落ち着いて字が読めませんでした。

(もちろん装置のモード設定では一番ゆるい、ゆったりしたモードにしています。)

「しょうがない」、

周りを見ると自転車を漕ぐ運動装置とかルームランナーなど、運動しながら勉強もできそうな器具があったのでこれらも試してみました。

しかしステアクライマーより多少ましかという程度、ど~も「読み心地が悪い」

ちなみに私、ボキャブラリーを暗記するときは人通りの少ない道をゆっくりゆっくり歩きながら勉強します。これがよく集中できるんですよー。ただこれができるのは春と秋だけなので、酷暑と厳冬の時節にはエアコンの効いたトレーニングルームで似たような勉強空間を・・と画策していたわけなんですが・・・

まんじさんは、ホントにステアクライマーで勉強できましたか?

ちょっと信じられないー。

まんじ さんのコメント

August 26, 2007

Krishnamurti さん

実は私の場合、ある秘密の方法があるのです。単語集などを見るのではなく、自分で単語のリストを録音して、それを聞いていました。

(英語)(日本語)を3回くらい吹き込んで、それを繰り返し聞くんです。

もちろん単語リストも持って行きますが、耳から聞くのが主で、リストには時々目をやる程度です。

これだとステアクライマー使用中も勉強できます。

Krishnamurti さんのコメント

September 8, 2007

なるほど、そういう方法だったんですね.

まんじさんが「単語、熟語、センテンスを吹き込んで繰り返し聴く」という方法を活用されていたことを思い出しました.

私自身は自分の吹き込んだ声を聞くのに抵抗があって、そのメソッドは実行に移すことなく忘れ去っていました.

今度は腹をくくって実行します

『3回くらい吹き込んで』の3回という回数も、学習効果を上げるための絶妙の落としどころなのでしょうね.

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