ベジタリアンになって半年が経ちました。最初の頃は、肉が食べたいなぁ... と思うこともありましたが、最近はかえって肉を食べると体が拒否反応を起こしてしまうようになりました。
● 菜食生活に入ったきっかけ
私がベジタリアンになったのは、気功師であり除霊師でもある天海蓮先生との出会いでした。先生は、今年3月に、私の会社が経営するゲストハウスにお客様としてお越しになりました。
その後、数ヶ月にわたり、我が家に滞在していただいたのですが、1990年代の先生の著作『この世紀末どう生きればいいのか「わかる本」』を貸してくださり、それを読んで大きな感銘を受けました。(この本は出版社が倒産したため絶版になっています)
思えば、先日の記事で書いたような「結婚観に対する変化」も天海蓮先生の影響かもしれません。先生は、その著作の中で、「人を愛するということがどういうことなのか」を説いておられます。
先生の教えの一つに「菜食主義」がありました。体の健康のみならず、充実した人生を送る上で「菜食」が以下に有効であるかを先生は説かれました。
ベジタリアンについては、私もかねてから関心を持っていました。いつの日かベジタリアン生活に転向しようと、ここ数年考えていたのです。しかし、そのチャンスはなかなか得られないままでした。
先生は、血液の浄化、病気の防止、汚染物質の体内侵入の防止などベジタリアンの健康的な側面を強調されたわけですが、これは私がベジタリアンになった理由その1です。これに加えて、私独自の理由が2つあります。
● ベジタリアンになった情緒的な理由
私の会社では Jungle Cafe という小さなレストランを運営していますが、その食材の選定・仕入れのため、バンコクの市場に出向く機会が時々あります。市場の奥のスラム街では、豚や鶏などの屠殺が行われているのですが、ある日私は、鳥や豚が殺されているところを目撃してしまいました。
豚は自らの運命を察してか、恐怖におびえながら逃げ惑っています。それを次々に殴って... こんなおぞましい光景は見たことがありませんでした。鳥は次々に首を絞められていました。牛はいませんでしたが、死を察したときに涙を流すとも言われています。
実際にこの光景を見て、肉食を続けることに罪悪感を感じてしまいました。いささか情緒的ではありますが、これが理由その2です。
● ベジタリアンになった人道的な理由
理由その3は、科学的な根拠に基づくものです。
この1年間、米や小麦、トウモロコシなどの穀物をはじめ、肉類から加工食品に至るまで価格が暴騰しました。これには複数の理由があると考えられています。
1) サブプライムローンに端を発する株価の下落によって、投機資金が穀物などの商品取引市場に流入し、投機目的で価格が上昇した。
2) 中国をはじめとする新興国が経済的に豊かになり、肉食が増え、需給を圧迫した結果、飼料や肉類の価格が上昇した。
この結果、アフリカなどの最貧国では、穀物を購入できなくなり、飢餓が発生したりしています。
鶏肉 1kg の生産には 4kg の穀物飼料が必要です。
豚肉 1kg には 7kg、牛肉 1kg には 11kg もの飼料が消費されます。
仮に鶏肉、豚肉、牛肉をそれぞれ1日に120gずつ食べたとしましょう。3種類の肉360gの生産に必要な穀物飼料は2.64kgとなります。わずかの肉を3回食べただけでこの量です。
わかりやすく米に換算すると14.66合。一般的に1食に1合食べるのが普通ですから、食事15回分くらいで食べるご飯を、わずか3回の食事の肉の部分だけで浪費している計算になります。
上記の1日2.64kgの穀類消費をベースに計算すると、1ヶ月間では79.2kg、1年間では963.6kgの穀類が消費されます。
私が肉食をやめ、ベジタリアンになったら、最低でも年間1トンの穀物が節約できるわけです。論理の若干の飛躍を躊躇せずに言えば、アフリカの最貧国で飢えている何人かの子供たちの命が助かるかもしれません。
● 省エネのようなもの?
ご自宅や会社で節電を励行されている方も多いでしょう。しかし、実際には数分電気を消しただけでは、電気代にはそれほど影響は出ません。たかだか月に数十円、数百円のために、われわれは電気を消して回っているのです。しかし、これを何十万、何百万もの人や会社がやったとしたらどうなるでしょうか? 莫大なエネルギーの節約につながります。
これと同じことがベジタリアンにも言えます。私がベジタリアンになったところで年間に節約できる穀物量は1トンに過ぎませんが、たとえば10万人がベジタリアンになったとしたら、10万トンの穀物を節約できるのです。
省エネならぬ「省食」とでも言えるかもしれません。
● 理由の総括
ここで、今まで紹介してきた「ベジタリアンになった理由」をまとめてみると...
1) 健康上の理由
2) 動物をむやみに殺したくないという情緒的な理由
3) 過剰に穀物を消費せず、飢える人びとを救いたいという人道上の理由
の3点に集約されます。
● ベジタリアンの種類
ベジタリアンにはいくつかのタイプがあります。卵がOKとか、乳製品がOKとか、魚介類もOKとか... これらはセミベジタリアンなどとも呼ばれます。
私の場合は、「卵×、乳製品○、魚介類×」のラクトベジタリアンに該当します。乳製品で食べられるのは、発酵させて作るチーズとヨーグルトのみで、生乳やバターは不可です。
● 卵や魚はなぜだめなのか?
卵や魚介類がなぜ不可なのか、疑問に感じる方もおられるでしょう。実は、卵や魚介類は、他の食糧以上に汚染が進んでいると考えられるためです。もちろん食べても即有害な訳ではありません。ほとんどの卵や魚介類は安全です。
魚はほ乳類と違って感情を持っているとは考えにくいし、節食しても飢餓の解決に即貢献できるとも思えません。上記1) 2) 3) いずれの理由も根拠を欠くように思われます。
しかし、かつて日本で発生した水俣病やイタイイタイ病などの公害病の原因が何であったかを思い出してみてください。汚染物質が高濃度に蓄積された魚を食べたことが原因でした。卵や魚介類は、長期間にわたって徐々に汚染物質が蓄積されるという特徴があります。
ここで問題となるのは、「汚染された魚介類と汚染されていない魚介類が外観上判別できない」ことです。
卵も同様です。鳥インフルエンザが発生したとき、「卵は生で食べても安全」と言われましたが、果たしてそう断言できるのでしょうか?
狂牛病の牛の肉を提供したアメリカのステーキハウスで食事をした人が数十年経って、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症したという追跡調査結果も明らかになったりしています。
● 半年が経過して
「君子危うきに近寄らず」ではありませんがとりあえず怪しい食べ物を避けようということで、ベジタリアン生活を始めた私ですが、無事に半年が経過しました。
現在では Jungle Cafe の新メニューの試食など、業務上必要な場合を除いてほぼ完全菜食化を実現しています。
次稿では、ベジタリアン生活の苦労や、体に起こった変化などについて、詳しく紹介したいと思います。

