タイにて小規模な法人を経営する筆者ですが、先月来全世界を襲っている金融の混乱に対し、何らかの経営判断を迫られました。以下は、対策の覚え書きです。
● 宿泊施設事業
当社の運営する宿泊施設(ゲストハウス)は、顧客のほとんどが個人旅行者となっています。ホテルと比較してリーズナブルな料金設定であることから、節約志向の個人旅行者・グループ客が中心です。
2008年9月初旬にタイ国内で政情不安が高まったことを受けて、即座に法人WebサイトとゲストハウスのWebサイトに、現状を報告する記事を掲載しました。またオンライン予約サイトの施設概要にも修正を加えました。
これが奏功し、9月のバンコクに滞在する旅行者が40%減であったにも関わらず、当社の運営施設では30%利用者が増加し、増収増益となりました。
その後、政治・治安情勢が若干の落ち着きを見せ始めたため、11月のオンシーズン入りをにらみつつ、10月25日から室料およびサービス利用料の価格改定を行いました。しかし同日夕に幹部スタッフとの緊急会議を行った結果、再び室料を改定し、値下げに踏み切ることを決定しました(つまり値上げしたのは1日だけです)。
世界的な不況の拡大、および前述の政情不安から、今年のオンシーズン(11~1月)におけるタイへの旅行者数は2割は減少するであろうと予測されます。この予測のもとで値上げを実施するのは、諸物価が高騰している昨今とはいえ、望ましいことではありません。
オンシーズンの客足を見定めつつ、値上げについては時期を適切に選ぶ必要があります。
一般に経済不況下では利用者自体の減少が予想されますが、当社の運営するゲストハウスの場合は状況が若干異なります。それまでホテルに宿泊していた客層が、旅費の節約のためにダウングレードしてゲストハウスに宿泊するケースが多いのです。
本来のゲストハウス利用層に比べ、ホテルからダウングレードしてくる顧客層は、顧客1名あたりの利用額が高めになる傾向があります。そのため Google Adwords 等の広告表記に工夫を加え、ホテル利用層の取り込みを図っていくことを、優先課題としていきます。
● 飲食事業部
現時点では、原油価格の下落とバーツ相場の安定でタイ経済はそれほど深刻なダメージは受けていないように思われますが、今後はタイ国内の景況感の悪化や、消費者購買力の低下も予想されるため、レストラン事業部では、価格は極力据え置き、代わりに、新メニューや期間限定メニューの販売開始、宅配サービスエリアの拡大で増収増益を図っていく予定です。
● コミュニティサポート事業
インターネットカフェについては、近隣にお住まいのタイ人の支出能力を考慮しつつ、若干の価格改定を実施しました。
当カフェは法人による運営であるため、インターネットカフェ免許の取得や業界団体への参加は義務づけられていません。しかし今後は、業界団体への任意加盟、および台数の増設を図りつつ、主にオンラインゲーム利用層の集客を強化していく予定です。
レストランの宅配については、リピート注文を確保しやすい月額1万バーツ以上の家賃の物件を中心に集中的にメニューを配布し、固定客による強力な顧客基盤を確立します。
● 語学教育事業
語学学校については、タイ語の Google Adwords 広告を新たに開始することで、英語コースへの集客を強化します。タイ人の購買力が落ちていくことが予想されるため、富裕層に対するプライベートレッスン、家庭教師に軸足を移していく予定です。
● その他の新事業
その他、現在立ち上がりつつある新事業3種(Web制作事業、通信販売事業、翻訳事業)については、全世界が対象となるビジネスですので、世界各国の景気動向をにらみつつ適切な対応を行います。
特にオイルマネーに潤う中東への販売チャネルを強化するため、2009年第1四半期までにアラビア語版の開設を予定。一方、検討していた韓国語版の作成は、韓国経済が沈みきっているので当面延期することになりそうです。中国語版の作成は予定通り。
個人的には将来のトルコ移住への足がかりとするため、トルコ語版の作成を新たに検討中です。
以上、自分自身のブレインストーミング用にまとめてみました。

