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ロンドンからSOS要請! これも仕事なのか?

2008年11月22日

andrew昨夜午前2時過ぎ、就寝直後の筆者の寝室に、ゲストハウスのスタッフ(タイ人)、ムエがやってきました。

ムエ 「英語で電話がかかってきていているんだ。Manji と話がしたいらしい」(実際にはタイ語)

と携帯電話を差し出しています。電話に出てみると、年配の女性の緊迫した声が!

(以降の会話はすべて英語)
英国人女性 「私はアンドリューの母親です。今ロンドンから電話しているの。うちの息子が緊急事態で... トラブルが起きたみたいなのよ。Manji に話をしてくれと頼まれたので連絡しているんだけど...」

最初、私はアンドリューという人物がゲストハウスのお客さんだと思ったので、我が家から数十メートル離れたところにあるゲストハウスのレセプションに戻り、チェックインカードを調べ始めました。しかしどこにもアンドリューという名前は見つかりません。

「アンドリューというのはうちのゲストハウスのお客さんですか?」
アンドリューの母 「私は分からないのよ。うちの息子は Manji に電話をしてくれ、と言ってただけだから...」

電話をホールドにして、うちの英国人スタッフ、ディバードにヘルプを求めたところ、やっとアンドリューというのが近所に住む英国人のお客さんだと判明しました。

アンドリューはゲストハウス併設レストランの常連さんで、チーズバーガーが大好物なお客さんです。

アンドリューのお母さんとの電話を切り、ディバードがアンドリューの携帯に電話をかけました... しかし、途中で私に電話を投げて寄越すのです。

「ダメダメ、彼の英語は訛りが強すぎて分からないんだよ。どうして英国人のあんたが話さないんだ?」
ディバード 「いや、(同じ英国人だけど)俺も彼が何を言っているのかさっぱり分からないんだ」
「...」

(しぶしぶ電話を替わる)

アンドリュー 「おお、まんじ! 助けてくれ。大変なんだ。誰かが飲み物に薬を入れて2日間寝ていたんだ。ツーリストポリスを呼んでくれないか!」
「まあ落ちついて! 状況が分からないから警察なんてすぐ呼べないよ。今からあんたの部屋に行くから... 10分待って」

警察沙汰になる可能性があったので、仕事用のスーツに着替え、パスポートを携行し、スタッフのトナ(タイ人)とディバード(英国人)と3人で、アンドリューの住むアパートに出向きました。

このアパートは車で3分くらいの距離にあります。
深夜3時ということもあって静まりかえっています。

3階の部屋に着くと、中からアンドリューが汗だくになって疲労困憊した雰囲気で出てきました。アンドリューは40歳代のちょっと病的な感じのする白人です。

アンドリュー 「誰かが睡眠薬を飲み物に入れて... 2日間寝続けていたんだ。途中で目を覚ましたら、別れたはずの彼女と、警官と、アパートの警備員が室内に入ってきて、物色しているんだ」
「その人たちはどこから入ってきたの?」
アンドリュー 「そこの窓からだよ」

侵入者が入ってきたという窓に行って、開けてみました。彼の部屋は3階なのですが、その窓の外側には、バルコニーや通路などは何もないのです。窓から下を見ると、1階の地面まで、壁しかない... つまり... スパイダーマンのように壁を這って来ない限り、その窓から入ってくることはできません。

アンドリューは興奮気味に強い英国訛りの英語でまくし立てています。途中でコーヒーを入れると言いながら、流しの下の羽目板をはずし始めたり、頭をかきむしりながら、燐の部屋のドアを狂ったように叩いたり... 明らかに錯乱状態。

私とディバードはアンドリューの話があまりに支離滅裂なので、とりあえず、

ディバード 「アンドリュー、今日はゆっくり休むんだ。もし何か問題があったらいつでも電話して来なさい」
「そうそう、お腹が空いたらチーズバーガーを超特急で届けるから、いつでもゲストハウスに電話してね!」(... とさりげなく営業トーク)

と言い残して、にこやかにその場を後にしました。アンドリューはなんだか泣きべそをかきながら感謝していました。

アンドリューは麻薬中毒になっていて、とうとう頭が錯乱したんじゃないか?

というのが、現場に急行した3名の一致した見解でした。

アンドリューは、それほど暑くもないのに冷や汗だらだらで、顔は極端にやせこけ、目も落ちくぼんでいました。ろれつが回らず、言っていることも支離滅裂で論理的ではありませんでした。

しかし... アンドリューが麻薬をやっているという保証もないし、別に何か犯罪を起こしたり、起こしつつある訳でもないので、とりあえず放っておくことにしました。何も起きていない状態でタイの警察に連絡しても動いてくれる可能性はほぼゼロですから...

筆者の運営するコミュニティセンターゲストハウスでは、「コミュニティサポート」を業務としていますが、ここでふとした疑問が...

麻薬中毒者の幻覚症状に付き合って、深夜3時に現場に急行するのも「コミュニティサポート」活動の一環なのだろうか?

結局... 一睡もできぬまま夜が明けてしまいました。

最近つくづく思うこと...

私ってなんでこんなにお人好しなんだろう...

(本記事の人物名はすべて仮名です)

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