原油価格が一時、1バレル50ドル台を記録し、最高値の40%水準にまで下落しています。以前は20~40ドル台が長く続いていたことを思えば、依然として高い水準ではありますが、需給状況から見ると適正な価格になってきていると考えられます。
原油価格が上昇基調であった頃、原油高騰の理由として挙げられたのが以下の4点でした。
1) 中国をはじめとする新興国の原油需要の増加
2) 米国の株安を忌避した投機資金が商品市場に流入
3) 米国や先進国の石油精製施設の不足
4) 産油国の増産に対する消極的な態度
原油価格が急落した今になって、改めてこの理由を考えてみると、1) の新興国の消費増大が根源的な理由で、それにつけ込んで 2) 投機資金が商品市場に流入した、というのが正解でしょう。
結果的に産油国には空前の増収となり、国家予算も大幅に拡大しました。貧困層への生活支援など福祉支出も大幅に増加しました。
原油価格の急落と、金融恐慌による需要の縮小は、まさに産油国にとってはダブルパンチです。
OPEC では、価格を維持するための減産を決定しましたが、減産が発表された後も原油価格は下がり続け、60ドル台の軟調かつ不安定な動きをしています。
つまり産油国にとっては、減産する(販売量が少なくなる)上に、価格が低下する(安くしか売れない)という最悪のシナリオが進行しているのです。これでは原油収入を見越して肥大化した予算をまかないきれるはずがありません。
オイルマネーによる繁栄の象徴であった中東 UAE のドバイ。筆者も2度訪れたことがありますが、新規にオープンした施設の豪華さには目を見張らされました。
最近の日経の記事によれば、最近ではドバイの不動産バブルもはじけつつあるようで、不動産価格や賃貸価格も下落傾向にあるとのこと。
原油価格に翻弄されたのは消費国だけではなかったのです。原油価格が60%下落し、輸出量が20%落ちたら、収入は最高時の30%になってしまいます。一度贅沢を味わってしまうと、もとに戻るのは大変です。
今度は産油国が試練に直面する時かもしれません。

